僕には心底惚れた男がいる。

「惚れた」と言うよりは「憧れている」と言った方がいいのだろうか。

とにかくカッコいい。

彼は高校の同じ学年で、大学も同じ。挙句の果てに同じマンションの上下に住み、大学時代のかなりの時間を一緒に過ごした。

僕が1社目の会社を辞めた時に、転がり込んだのも彼の家だった。

憧れポイント

彼は話し方や雰囲気もなかなかのイケメンだが、特にカッコよかったのはギャンブルに対するその姿勢。

その姿勢はまさに『自分が来ると信じた目に全力でその身をゆだねる』という感じであり、その考え方に全くブレが無い。

100回質問をすれば、100回同じ答えが返ってくるくらい、彼は自分の信じていることを貫き通す。

僕もどちらかと言えばブレが無いタイプだが、それは彼の影響によるところが非常に大きいと感じてる。

また、『その目が来ると信じる』ための根拠も、普通の人には見えていないものが見えている。

彼と一緒に競馬をしていて、彼が単勝を買った馬が魔法のようにスルスルと1着になったことがどれだけあったことか。

天才という月並みな言葉では表現できないくらい天才なのである。

そして、僕が彼のことをカッコいいと感じたのは、ある日のある馬券を見た時からだった。

忘れられない馬券

僕には忘れられない馬券がある。

2002年、彼と一緒に競馬をしていた時のこと。

その日僕が1レースから馬券を買い漁るのを尻目に、その友人はずっとケン。

そして阪神10レースの梅田Sを迎えた時、ようやく彼が重い腰を上げた。

彼の馬券

阪神10レースはカネツフルーヴという馬が断然の一番人気。3戦連続3着以内に入っており、単勝は1.4倍。

2番人気も実力馬ビワシンセイキ。のちにGIでも2着に入るほどの実力馬で、僕にはこの2頭のうちどちらかが勝つようにしか見えなかった。

そんなレースでの彼の馬券は、

・4番人気のホーマンベルウィンの単勝5,000円

・カネツフルーヴ-ホーマンベルウィンのワイド5,000円

の合計1万円。

5,000円がドスンと真ん中に2列並んだだけの、ものすごくシンプルな馬券だった。




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彼の見立て

僕「ホーマンベルウィン!マジか!!!下のクラスでもがいてて、ようやく上がってきたようにしか見えないんだけど!」 

彼「カネツは詰めが甘いからな」

僕「それ、ホーマンベルウィンを選ぶ理由じゃないし!(笑)」

僕にはカネツフルーヴを切る感覚は何となく分かったものの、結局ホーマンベルウィンを選んだ理由は全く分からず。

そうこうしている間にレースが始まった。

梅田Sレース結果

上の画像にある通り、
1着:ホーマンベルウィン 単勝9.6倍
2着:カネツフルーヴ
その後ろは5馬身もあいて3着:ビワシンセイキ という結果になった。

彼は見事にダブル的中を果たし、10,000円が59,500円に。

僕もカネツフルーヴから馬連で流して的中。

ただ、彼の馬券とは全く違う。

100円、200円ばかり並んでいる自分の馬券と彼の馬券とのギャップに大きなショックを受けたことを今でも覚えてる。

どちらも的中、しかし返ってくる配当が全く違う。

でもそれだけじゃない。

馬券の美しさが全く違う。違いすぎる。

これが僕と彼の間の圧倒的な差なんだと思い知らされ、僕が競馬に対する考え方を大きく変えるキッカケとなったのである。

選択と集中、期待値の最大化を旨とすべし

「1つのレースに1万円なんか賭けられないよ」って言う人はいるだろうね。

当時は僕自身もそう思った。

でも、競馬って大体1日36レースあって、半分の18レースに500円ずつ賭けたって9,000円かかるんだよね。

で、その日は第1レースから小刻みに賭けまくってて、結局トータルでそれくらい負けてた計算に。

それに気づいた時、僕は自分の馬券を非常に恥ずかしく思ったのと同時に、「勝負はどのようにするべきか」を肌で感じ取ることができたのだ。

自分が1番自信があるレースだけに資金を集中すること。

それで外しても悔いはない。

それが勝負だ、と。

彼とは一時期ずっとメールで熱い議論を交わしていたんだけど、その時の件名が

『選択と集中、期待値の最大化を旨とすべし!』 だった。

この言葉、20年近く経った今でもめっちゃ心に残ってる。

そしてその考え方が『単勝魂』という競馬ブログにも繋がっていくわけで、色々と彼の影響は大きかった。

まとめ

彼は僕の競馬観だけでなく、勝負というカテゴリにおいて、多大な影響を与えてくれた人と言えるだろう。

いや勝負という範囲にとどまらず、本当に今の僕の性格形成にまで影響してると思う。

それも全て、あの2002年の梅田Sから始まったわけで。

『ホーマンベルウィンの彼』が買った、あの5,000円が2つ並んだ馬券だけは、生涯忘れることができなそうです。

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