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分かりにくい話は、ボックス思考で考えてみよう!

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分かりにくい話は、ボックス思考で考えてみよう!

今の日本人は文章読解力が落ちているという。

それを裏付けるような問題があるというのでやってみた。

いきなりだけど問題

次の文章を読んで、以下の問いに答えなさい。

アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

セルロースは(     )と形が違う。

(1) デンプン
(2) アミラーゼ
(3) グルコース
(4) 酵素

さて、答えを1つ決めてから読み進んでいってほしい。

家族に出してみる

さて、みんなは解けたかな?

なかなか面白い問題だったので、家族にも出してみた。

僕「ちょっとこれ読んでみてよ。」

長男「ん?・・・(3)だろ?」

まなどん「えっと・・・(2)かな?」

僕「・・・」

ボックス思考

こういう文章を読んだり人の話を聞くとき、僕は頭の中に空っぽの箱を思い浮かべる。そして話を聞きながら中身を埋めつつ、箱を繋げていくのだ。

1.アミラーゼは酵素である

2.分解できるものはデンプンである

3.デンプンはグルコースが繋がって出来ている

4.一方、セルロースもグルコースから出来ている

5.セルロースは分解出来ない

間違えた人は、この問題を解く際に単語を拾い読みする傾向にあるらしい。

確かにキーワードだけを拾って読むと、ついつい「セルロース」の対義語になる単語を語感が似ている「グルコース」と決めつけてしまいそうになるよね。

もちろんちゃんとじっくりしっかり読めば、きっと大抵の日本人なら分かると思うけど。

もう一つの問題

ただ、僕はこの問いに関して言えば、もう一つ別の課題があると思ってる。

それは、このように分かりにくい文章が世に蔓延しているということ。

今回の問いはあくまでもテストという位置づけでワザと分かりにくくしているんだろうけど、日本語の理解力が低下しているという背景に、普段からこういう分かりにくい伝え方をする人が多くなってきているということもあるのだと思う。

どうすれば分かりやすく伝えられるか

そこで、どうすれば人に伝わりやすい伝え方になるのかを、再度ボックス思考を使って書いていこうと思う。

先に対比する枠を作って、そこにコンテンツを入れられるようにする

上記の例で言えば、「アミラーゼは酵素である」まではよい。しかしその先のボックスが非常に美しくない。「分解可能」枠は先に出てくるのに、対比する「分解不可能」枠が最後まで出てこないのである。これがこの文章の分かりにくさの一番のポイントである。

これを相手にキチンと伝えるためには、「分解できるものはデンプンである」とだけ言うよりも、「アミラーゼには分解出来るものと出来ないものがあること」を伝えるのがいいだろう。そうすれば、受け手側は以下のようなボックスを頭の中に描くことが出来る。

対比するコンテンツを対にして入れる

そして分解出来る枠の中にデンプン、分解出来ない枠の中にセルロースを入れる。ここで大切なのは、デンプンがグルコースで出来ていることに触れる前に、対比するセルロースを入れてしまうことである。

共通点は最後にまとめて伝える

最後にどちらもグルコースから出来ているが、形が違うために分解の可否が違うことを付け加えてあげればいい。

この文章を分かりやすく書き直すと

このボックスを順番に文章にしていくと、こんな感じかなあ。

『アミラーゼという酵素は、デンプンは分解出来ますが、セルロースは分解出来ません。デンプンもセルロースも同じグルコースが繋がって出来ていますが、形が違うからです。』

はじめの文章と比べてみて。頭の中で相当ボックスを作りやすくなったと思わない?

まとめ

こういう風に、僕は自分の頭の中で文章のポイントを箱でイメージして繋げてます。

そして相手に伝達する時は、相手が箱を作りやすいような話の仕方を意識してます。

てなわけで、このボックス思考、流行らないかなー(笑)




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