自分のこと

僕の人生の中で最も不思議で、最もミラクルな出会い(中編)

  1. HOME >
  2. 自分のこと >

僕の人生の中で最も不思議で、最もミラクルな出会い(中編)

なぜCくんを受け入れたのか

普通の人ならCくんを追い返したかもしれない。でも僕はなんで彼を受け入れたのか。

それは、『今が恩を返す時じゃなかろうか』と感じたから。

実は僕は1社目を辞めた時、次の会社も決まっていなかったため、会社の寮を出なければならなかった。

しかも 親に内緒で会社を辞めたので、実家に戻る選択肢もなかった。

その結果、僕は東京に戻り、大親友の家に転がり込んで3ヶ月ほど住所不定無職の生活を送っていたのだ。

当時僕が次の職を得てキチンと働けたのは彼のおかげ。

そしてそんな僕が働きだした時に、僕のところにCくんが転がり込んできたのは何かの縁としか思えない。

「お前は転がり込みたかった時、受け入れてもらっただろ?ここでまさかCくんを受け入れないわけないよな?」

そんな神様の声が聞こえたような気がしたのである。

Cくんは何しに来たのか

僕「そういえば、東京に何しに来たんや?」

C「医療事務の資格を取ろうと思ってな」

僕「大阪でも取れるやろ(笑)」

C「大阪におったら、プーに囲まれて、また遊んでばっかしやろ?そしたら一生変わられへんからなあ。」

僕「ふーん、そんなもんかなあ。」

そう、Cくんは医療事務の資格を取りに僕の家に転がり込んできたのだった。

Cくんとの生活

ところがCくんとの生活は、自分の想像とは大きくかけ離れていた。

生活にズレがあるというか、常識が違うというか。

そんな風景を切り取ってすこし紹介していこう。

かわいそうな革靴

C「おうつまくん、明日バイトの面接あるんやけど、革靴貸してくれへん?」

僕「うん、ええよ。」

そしてCくんは小ぎれいな服に身を包み、僕の革靴を履いて颯爽と家を出ていった。

さてその日は僕も出かけ、しばらくして帰宅したら革靴が玄関に置いてある。

僕「ああ、帰ってたんか」

と声をかけつつ改めて置かれた革靴を見てギョッとした。

朝はキチンと形が整っていた革靴のカカトが、踏まれまくってぺちゃんこになっていたのだ。その形はまるでサンダルのよう。

僕「ちょっと、何これ?」

C「ああ、おうつまくんの革靴、俺には小さかったからカカト踏むしかなかったんや!」

僕「おお・・・」

かわいそうなワイシャツ

僕「家にいるんやったら、ちょっと洗濯物取り込んで畳んどいてくれへん?」

C「うん、ええよ」

そして会社から帰ってきてクローゼットを開けると、そこにはボールのように丸められて置かれたワイシャツが・・・

僕「なんやこれは!やるならちゃんと最後までやれよ!」

思えば、Cくんに怒ったのはこれが最初で最後だったかも(笑)

家に帰ったら

家に帰ったら、Cくんの他になぜか一糸まとわぬ女の人がいて目が点になったことも。

C「ごめんごめん、ちょっとだけ帰ってくるの待ってくれる?」

僕「お、おう。(俺んちやけど)」

友達と飲み

C「おうつまくん、今池袋で友達と飲んでるからこーへん?」

僕「おお、ええよ」

お店ついたらド金髪、タンクトップ着てて腕にタトゥー入りまくりのムキムキが。こえー

C「紹介するわ、○○くん。さっき池袋ウェストゲートパークで知りあってん」

僕「お、おう。(友達!?)」

仕事のグチ

僕は当時営業をやっていたが、僕は全く営業に不向きなので全然成果を上げられず、本当に辞めようかと思っていた。

僕「あー、仕事メンドクサイな。どうせ売れへんし、行きたくないわー」

C「いやいや、おうつまくんはまだ行くとこがあってええやろ!俺なんか行くとこもないねんぞ!」

僕「お、おう。なんか元気出たわ」

オカン化する僕

そんな中、だんだん僕がオカン化していくのであった(笑)

僕「別にどこに行っててもいいんやけど、帰って来るのかどうか、ゴハンはいるのかいらんのかくらいはちゃんと毎日連絡してこいよな!」

そう、僕は帰ってこない子を持つ親の気持ちを、なぜか23歳の時にCくんで味わっていたのだ(笑)

いきなりの引っ越し

しかし3ヶ月後、僕の家で好き放題やってきたCくんがいきなり引っ越すというのである。

どうやらまたもやどこぞの怪しい場所で知り合った人と一緒にうちの近所に部屋を借りて出ていくことにしたらしい。

僕「少しうるさく言い過ぎたかな…」

C「ちゃうでちゃうで。まあ、いつまでもお世話になったら悪いしな。まなどんさんにもよろしく言っといてや!」

たった3ヶ月だったが、ずっと一緒に生活していたCくんが出て行くのは非常に寂しいものだった。

そして帰阪

そうしてCくんは嵐のようにきて、あっという間に僕の元から去ってしまった。

そこからは普段の生活に口出しすることもないので、連絡も相当減っていたのだが、3ヶ月ほどしたある日、Cくんから連絡が入ってきた。

C「ちょっと聞いてや。ほんまたまらんわー」

どうやら一緒に部屋を借りたどこぞで知り合った人が警察沙汰を起こしたらしい。

C「大家からは出ていけって言われてるし、そろそろ医療事務の試験あるし、いいタイミングやから大阪帰ろうかなって思って。おうつまくん、今まで色々ありがとうな。」

僕「いや、こちらこそ楽しかったで」

C「じゃあ、また!」

それだけ伝えて、彼は東京から去っていったのだった。

つづく

 / 2 / 




スポンサーリンク

-自分のこと

© 2024 寺澤伸洋 オフィシャルサイト Powered by AFFINGER5